Endgame Gearから販売されているマウスパッド MPC CORDURAについてレビューを行っていきます。
ご存知の方も居るかと思いますが、CORDURA (コーデュラ) は、バックパックやバッグ雑貨・キーケースなどでお馴染みの、いかにもタフそうなザラザラした生地です。
ホッチキス(正式名称はステープラー)的な感じで、生地・繊維につけられている名前・ブランドです。
要は製品名です。生地だけで販売されています。
MPC CORDURAは、実際にバックパック等で使われている生地の中から、マウスパッドにも使えそうな生地を選定し、そのまま流用したマウスパッドになっています。
信頼性の高い製品化されている生地を組み合わせているため、マウスパッドとしては生地の型番から操作性を予測しやすいという一面もあります。
結論から述べてしまうと、MPC CORDURAはハードタイプのような、かなり速い滑りを求めたスピードタイプのマウスパッドです。
『若干のコントロール感とわずかなストップ性は残る』というメーカーの謳い文句通りの性能ですが、バランスの取れた操作性というのは実現できていません。
つまり、氷上のようなツルツルとした操作感で、滑って止めにくく繊細なコントロールはしにくい操作性です。
ハイブリッドマウスパッドのような、ハードとソフトの融合というような、いいとこ取り・メリットの多い操作性ではありません。
大きな問題点として、ソールの素材により操作性が全くと言っていいほど変わります。必ずソールとの相性について理解してから購入してください。
ソールとの相性問題について詳しくは後述します。
相性の合わないソールで使用した場合、高耐久・耐摩耗・撥水のCORDURAではありますが、1週間ほど使用しただけでも、マウスを可動させている範囲の滑りに変化が現れてしまいます。
撥水という点についても、バシャバシャと水をかければ撥水するのは事実ですが、吸湿はするようで、相性の合わないソールでの操作・手首の接地面積が多いという特定の条件を満たすと、手汗により操作が重たくなります。
速乾・放湿もしてくれるんですが、マウスパッドに腕や手が置かれている間は当然、吸湿がメインになってしまいます。
個人的にはマウスパッドに向いている生地かと聞かれると、ソールとの相性があまりにも想定しにくいということもあり、答えに詰まります。
その点を理解したうえで、相性が良いと思える場合であれば、それなりに低価格なマウスパッドではあるため、メインマウスパッドとしてではなく、サブでスピードタイプのマウスパッドが欲しい、そんな方にはおすすめできます。
Endgame gear MPC CORDURAとは
MPC CORDURAは、米・インビスタ社が製造販売する生地であるCORDURAを採用したマウスパッドです。
CORDURAはハンドバッグ・バッグ・バッグ雑貨・衣類等に幅広く使われています。
アウトドアブランド等が好きな方にはわりとお馴染みの生地です。
サイズ
サイズ展開は3種類です。
450 | 890 | 1200 | |
素材 | CORDURA | CORDURA | CORDURA |
サイズ | 450x400x3mm | 890x450x3mm | 1200x600x3mm |
カラー | ブラック ネイビー ダークブルー | ブラック ネイビー ダークブルー | ブラック ネイビー ダークブルー |
一般的なLサイズからデスクマットとしても使えるサイズの展開です。
発売日
国内での発表・発売は2021年9月です。
本国のリリースとしては少し前になるみたいです。
購入した理由
興味本位で購入しました。
CORDURAというとネームバリューがあるので気になっていました。
コーデュラつったらやっぱバックパック。
GORE-TEXとかもありますけどね。
届いたMPC450をチェック
外箱
フラットな梱包です。
今回購入したのはブラックなんですが、ステッチ・ロゴすべてがブラックのSTEALTH EDITHIONというバリエーションになっています。
外観を詳しくチェック
ブラックにブラックのロゴがプリントされています。
かなりハイセンスは見た目で非常にCOOOLです。
ラバー臭はしませんでした。
巻グセ
フラットな梱包なため、巻グセは一切ありません。
開封直後でもまっすぐな表面でマウス操作ができます。
素材感
表面
表面はCORDURA繊維を用いたCORDURAの生地です。
ナイロンの7倍の強度があるという生地です。
CORDURAの生地には型番・デニールによる製品展開がありますが、MPC CORDURAに採用された生地は公表されていません。
MPC CORDURAに採用されたCORDURA生地は硬質でハリがあり、ザラザラ・ツルツルしています。毛羽立ち感はありません。
ナイロン系のバッグとかを想像してもらえれば、結構そのままの雰囲気です。
手で触ってみても縦横での抵抗感に違いは感じられません。
肉眼でも織り目を確認できる程ですが、目が詰まっていて繊維も硬質なため、柔軟性のあるたわみやすさというのはありません。
手首を接地させていて滑らせようとすると、摩擦抵抗が大きく引っ掛かりを感じます。
裏面
裏面のグリップパターンはよくあるグリップパターンです。
性能自体は並ですが、巻グセが無いため、接地面積が多くずれにくくなっています。
筆者の環境ではプレイ中に大きくずれて置き直しが必要になることはありませんでした。
中間層
中間層は指先で押すと、面で沈み込む特性で、マウスを押さえつけても沈み込んだ感覚は分かりにくいです。
ソール形状や接地面積の少ないソールでは引っかかり・ゴリゴリとしたとしたフィードバックを感じるかもしれません。
ステッチの処理
ステッチは高さがあり、ソールと干渉します。
上端ギリギリまで使用している場合は、マウスパッドを少しデスク奥に配置するなど、適切なマウスパッドの配置が必要です。
また、まつり縫いになっている糸の番手が太く固いため、腕に当たるとチクチクするときがありました。
操作感
ゲームでの操作性
大きな問題点として、ソールの素材により操作性が全くと言っていいほど変わります。
ソールとの相性問題を交えながらのレビューになっています。
全体的にはMPC CORDURAはスピードタイプのマウスパッドです。
縦横で滑りの差はありません。
白いPTFEソールの場合
白いPTFEソールの場合、抵抗感の無い軽い滑り出しで、そのまま高速に滑ります。止めやすさは感じられません。
左右に切り返す動作でも、全くと言っていいほど抵抗感が生まれないため、繊細なコントロールがしにくいです。
氷上のようなツルツル滑って扱いにくいという表現がピッタリ当てはまります。
手首を使うようなエイムだと手首だけの制動力では扱いきれないため、フリックなどの安定性も低いです。
制動力が筋力で補える腕エイムをすると安定させることができました。
それでも、表面素材をたわませるような使い方は一切できません。マウスを押し付けても全く抵抗感が変わりません。
押し付けると逆に滑る感覚があります。
中速以上の視点移動が下限のゲームでしか使いにくく感じます。手首を可動させない腕エイムでも低速の視点移動はDPIを上げたようなプルプルとした視点移動しかできなかったです。
手首も使うマウス操作をしたい場合は、常に手首を同じ場所に接地させたまま移動をさせないような、ウルトラハイセンシであれば使いやすいのかなという印象。
手首を同じ場所に接地させたままであれば、フリックや低速の視点移動もやりやすいと感じられます。
なんか力込めるとニュルニュル滑る…。
脱力するともっと予測しにくい挙動になってめっちゃピーキーです…。
扱いきれませんでした。
グレー・ブラックのPTFEソールの場合
グレー・ブラックのPTFEソールの場合、使いはじめこそ【白いPTFEソールの場合】と同じ印象ですが、1週間程使っていくと、かなり滑りが悪くなったように感じるようになり、軽快な動作から程遠いものになります。
マウスを可動させている部分と、マウスが一切乗ることのない部分で滑りを比べると、1週間程の使用でも体感できるくらいには差が生まれてきます。
そのまま使用し続けていくと、マウスを可動させている部分は接地抵抗感がどんどん強くなっていき、コントロールパッドのような操作感になっていきます。
また、湿気の影響も受けるようになり、手首を接地させていた部分は重たい操作になります。
筆者がテストしたのは Logicool G PRO X SUPERLIGHT と Logicool G PRO Wirelessですが、どちらも似たような操作感でしたが、ソールの接地面積の多い Logicool G PRO X SUPERLIGHT はより顕著に影響を受けます。
スピードタイプのマウスパッドを購入したのに、コントロールパッドになっている!!
スーパーイリュージョン!!
湿気による変化
手汗による湿気の影響を受けないソールとの組み合わせもありますが、湿気の影響を受けないとは言いにくいです。
特に、手首を接地させて操作をしていて、腕と一緒に手首も可動させると手汗をかいた分に比例して、手首 (手のひらの付け根) が引っかかるようになります。
また、Logicool G PRO X SUPERLIGHT のように、接地面積の多いマウスソールを使っている場合、マウスを滑らせている領域も湿気の影響で重たくなります。
まとめ
Endgame gear MPC CORDURAについてレビューを行ってきました。
同メーカーのXM1rと組み合わせて使用するのがベストなのか?と思わされたマウスパッドです。
ソールとの相性問題が発生しやすく、万人にすすめられないマウスパッドというのが正直な感想です。
同メーカーのXM1rでテストプレイをしたことが想定されるため、XM1rでの使用であれば、メーカーの狙った操作性が得られるのかもしれません。
しかし、他メーカーとのマウスとの組み合わせによる操作感は快適とは言えない操作性になってしまう場合があります。
XM1rには、白いPTFEソールが採用されているため【白いPTFEソールの場合】で説明した操作感が気になるようであれば、アリな製品だと思いますが、保証ができるわけではありません。
また、CORDURA生地ですが、可動域として使い続けている部分が1週間程度の使用でも明らかにテカテカしてきており、耐摩耗性という点においてはポジティブな評価ができません。
吸湿性があるということから、手汗の影響もそれなりに受けています。
耐水性というのも、表面のコーティングがある場合においては抜群の性能を発揮する可能性が高いという解釈でいいのかなという考えに至りました。
CORDURAさんとしては、マウスパッドとしての利用なんて当然想定していなかったであろう、そんなことが垣間見える製品に仕上がっています。
どうしてこうなった。
また、違ったCORDURAの品番・デニールでの展開がされていって、マウスパッドとして洗練されるといいんですが…
ココが良い
軽い滑り出し・速い滑り
フラット梱包で低価格
ココはイマイチ
マウスソールとの相性問題が発生しやすい