FIFINEから販売されているUSBヘッドセット FIFINE AmpliGame H6についてレビューを行っていきます。
コストパフォーマンスに優れるUSBマイクを多数取り扱っているFIFINEから、そのマイク技術を採用したヘッドセットも販売されています。
今回はFIFINE様からレビューサンプルを提供していただいたAmpliGame H6を詳しくチェックしていきます。
FIFINE AmpliGame H6 イチオシポイント
- 単一指向性のコンデンサーマイクを採用
- RGBで光るハウジング
- EQが選択可能なDACを搭載
- 7.1バーチャルサラウンドサウンドが楽しめる
結論から述べてしまうと、AmpliGame H6はマイク単体として見たときにでも十分ハイクオリティと言えるマイクを搭載したコストパフォーマンスに優れるヘッドセットです。マイクを別途購入しなくても良いと感じられるほど高音質なため、ヘッドホンとしての機能に満足できるのであれば、このヘッドセットを購入するでけで済みます。
肝心なヘッドホンとしての機能も、籠もった印象や聞き取りにくさという部分は一切無く、この価格帯としては十分にハイクオリティです。1万円台のイヤホンを使っているのであれば乗り換えても違和感はありません。
『頭の位置が動いてしまうからやっぱりヘッドセットがいい!』という方にはとてもおすすめです。
それではもっと詳しく見ていきましょう!
FIFINE AmpliGame H6とは
AmpliGame H6はUSBヘッドセットです。USB-DACを搭載し、USBで接続するヘッドセットです。
USB-DACを搭載しているため、PCのマザーボードに搭載されているDACの性能の影響を受けません。
また、カーディオイド (単一指向性) のコンデンサーマイクを搭載していますが、USB-DACで音を処理するため、マイク音質も非常に優れたものになっています。
カーディオイド (単一指向性) とは?
カーディオイド (単一指向性) とは、マイク正面からの音だけを拾うことができる指向性のことです。マイク背面の音も若干拾うことができますが、側面からの音は拾いにくくなっているため、環境音がなるべく入らないようにマイク音声を相手に届けることができます。
スペック
種類 | USBヘッドセット |
装備 | 脱着式マイク 単一指向性 (カーディオイド) 多機能オーディオコントロールボックス |
ビットレート/ サンプルレート | 24bit / 48kHz マイクは最大24bit / 192kHz |
マイクゲインコントロール | PC側でのみ調整 |
対応コネクター | USB-A |
マイクミュートスイッチ | あり(コントロールボックス) |
ソフトウェアコントロール | 不可 |
使ってみたかった理由
PCゲーマーの管理人は、FPSゲームでもヘッドセットを使わない派です。
PCのサウンドはヘッドホンかイヤホン (イヤモニ) で聞き、ボイスチャット (VC) 用の音声はUSBマイクで入力、というスタイルでゲームをしながらVC (ボイスチャット) をしています。
普段はUSBダイナミックマイクを使っています。ダイナミックマイクの特性はゲームにピッタリだということを実感していました。
しかし、ヘッドセットでもゲームができた方が良いと感じられるときもあります。例えば首を動かしたい時とか、イヤホンよりも壮大なスケールのサウンドを聴きたい時にとかですね。
しかし、様々なゲーマーのプレイ環境の水準が上がってきたことにより、必要最低限ではない十分なクオリティのマイクが無いとなかなか受け入れてもらえにくいんじゃないかと考えています。
AmpliGame H6は脱着可能なコンデンサーマイクを搭載しています。このサイズ感と価格帯でどれほどの性能があるのか知りたくなったので試してみることにしました。
結果的に、下手なUSBマイクよりも良い性能なので驚かされました。
届いたAmpliGame H6をチェック
それでは届いたAmpliGame H6を見ていきましょう。
Ampli系統のデザイン
AmpliGame H6はゲーミングヘッドセットとして展開されている製品です。Ampliシリーズということでスマイルマークがあるのも特徴的です。
いつも通り、シンプルな外観のパッケージです。必要最低限なスペックが記載されていますね。
パカッと開けてみるとこんな感じです。内容物も取り扱い説明書とヘッドセットだけと極めてシンプルです。
外観を詳しくチェック
ここからはAmpliGame H6のデザイン・外観について詳しくチェックしていきます。
シンプルな構造とデザイン
H6の構造はとてもシンプルになっています。バンドやハウジングも至ってシンプルで、ハウジングのアルミプレートが無ければ、一般的なヘッドホンよりもシンプルなんじゃないでしょうか。
ハウジングを回転させて片耳で聴くというような扱い方はできませんでした。
長さ調整はハウジングを引っ張って伸ばす構造です。ちょっとノッチ感が希薄で動いたことがわかりにくいかもしれません。
ハウジングにはアルミのプレートが取り付けられています。このスマイルマークはプリントやデカールではなく、レーザー加工されたものになっているため、長時間の使用でも消えることはありません。光も透過しないので、光る部分もこのプレート外周ですね。
とても柔らかいレザーのバンド
バンドは合成皮革で、とても柔らかくなっています。質感も高いので、安っぽさを感じられません。
色で識別できるようにはなっていないものの、バンド部分にL・R表記がされています。
すべてを集結させたコントロールボックス
H6のボリュームやEQの設定、サラウンドの切り替えはこのコントロールボックスから行えるようになっています。必要最低限なデザインに感じるものの、余計なコストが掛かっていないため、音質に全振りしているといった印象を持ちました。
サラウンドが有効になっていると赤く光ります。
側面にはマイクミュートスイッチが搭載されています。
反対側の側面にはEQの切り替えスイッチが搭載されています。ボタンをポチポチして切り替えるタイプですね。
ちょっと見にくいんですが、裏面にはマイクON・OFFとEQモードの表示があります。
グニグニ曲がるマイク
脱着可能なマイクはグースネックタイプで、自由に好きな曲がり具合に調整することができます。
ミュートすると赤く光りますが、使用しているとちょっと見えませんね。顔出し配信をしていればわかりやすいかもしれません。
AmpliGame H6の使用感
ここからはAmpliGame H6の実際の使用感について詳しくチェックしていきます。
バンドが柔らかく、側圧も弱めで痛くなりにくい
H6は側圧弱めで、バンドの表皮とクッションも柔らかいため、長時間の使用でも頭のどこかが痛くなってくることがありませんでした。
重量は330gということらしいんですが、それよりも軽いはずのモニターヘッドホン ATH-M50xよりも着用感は良好です。
直感的に操作できる
EQに大きなこだわりを持たないことが前提ですが、手元で簡単にEQの切り替えが行えるのはとっても便利だと感じました。
サラウンドも有効になっているかどうかを視覚的に確認できますし、音量のコントロールも簡単に行なえます。設定の切り替えもタイムラグは一切なく、いつでもお手軽に使えるため、不便に思うときがありませんでした。
音質
使用感は良好です。ここからは重要なヘッドホンとマイクとしての音質について、管理人が録音した音声サンプルも確認しながら詳しく見ていきましょう。
EQでガラッと変わるサウンド
H6には3つのEQモードが設定されています。動画・ゲーミング・音楽の3つですね。
基本的には聞き疲れのしにくい低刺激でこもりを感じない高解像度な音質です。音楽鑑賞も余裕でこなせます。
EQについて
動画モードは全体的にどこかが強調されるわけでも無く、抜けが良く見渡しの良いスッキリとした音質です。ヘッドホンにしては低域が控えめでフラットな印象です。何を聴いても上品でバランスの良さが際立つ音質になっています。
ゲーミングモードは低域が強調されている音質で、若干音抜けの悪さがあります。足音を重要視する多くのゲームは足音が低音域で構築されているため、もっともらしいアプローチと言えます。音楽を聴くとモコッとした印象があるため、ゲームのためのモードだと実感できました。
音楽モードは動画モードの低域をより大人しくさせた音質で、ボーカルをキレイに聞き取るためのモードのように感じました。ポップスなどとは相性が良いかもしれませんが、AMラジオ的な音質になっているため、重厚感がほしい時には使えなさそうな気もします。
7.1バーチャルサラウンドサウンドについて
H6にはバーチャルサラウンドサウンドが利用できます。管理人は普段からステレオサウンドでゲームをプレイしているため、もともとバーチャルサラウンドサウンドに優位性を感じていません。
H6のバーチャルサラウンドサウンドはクロストークを悪くしたようなサウンド (Lチャンネル、Rチャンネルを混ぜたような音) で、音像が狭く近くなります。
足音が構成される音域がちょうど真ん中に聞こえるような定位になるため、たしかに聞き取りやすくなる場合もあるかもしれません。
ただ、クロストークが悪くなること、音場が狭くなることで広大な臨場感というのは薄れてしまいました。
もともと高解像度で音の聞き分け自体は十分にできますし、上質な音を犠牲にしてまで使わなくても良いように感じます。あくまでも足音のみを聞き分けしたい強いこだわりがある方向けのモードなのかなと感じました。
マイク音質
USB接続ということもあって、マイク音質はこの価格帯としてはぶっ壊れ性能なんじゃないでしょうか。
音声サンプル
音声サンプルを用意しました。短い音声ですが是非参考にしてみてください。
この音声は筆者が実際にFIFINE AmpliRocketのキットを使用して録音したものです。マイクとの距離は口元から10cmくらいで録音しています。
同じセリフを2回言っていますが、2回目はキーボードを両手でランダムに連打しています。
キーボードの打鍵音は入っていますが、打鍵振動は一切入っていません。話し声が埋もれることはなくよく聞き取れると思います。
デスクの下にタワーPCを置いていて、240mm簡易水冷のCPUクーラーを使っていますがファンの回転音も入っていないことが確認できると思います。
うーん、音質良すぎ問題。
文句のつけどころはありません。もはや別途マイクを揃える必要性を感じないレベルになっています。
使用した設定とコツ
AmpliGame H6は、Windows側で入力音量の調整をします。
レベルはマイクから口元までの距離が約1~1.5cmの状態で『60』で録音しました。
ここまでのたどり着き方は以下です。
タスクバーの『スピーカーマーク』を右クリック→『サウンド』をクリック
『録音』のタブをクリック→『FIFINEのマイクのアイコン』の上で右クリック→『プロパティ』をクリック
『レベルのタブ』をクリック→スライダーを任意で調整 (数値の直接入力でもOK) →『適用』をクリック
これでマイクの入力音量が調節できます。
マイクの音質は落ち着いた上品な音
AmpliGame H6のマイク音質はどこかが強調された音質ではなく、クールで上質かつ輪郭のハッキリした音質です。控えめに言ってめちゃくちゃ音質が良いです。下手なUSBマイクよりも高音質に仕上がっています。
口元からの距離によって、低域の具合が変わってしまいますが、これだけイイ感じに録音できるのであれば、文句無しだと思います。厚みのある低域が得られるようなセッティングも意図的に行えてしまいます。
ボーカルレコーディング用コンデンサーマイクの独特な中域のカリッとした感じも無く、癖が無くどんな人でも心地よく聴ける音質です。
マイクに近づきすぎてもボフボフしたポップノイズが入ることも無く、非常に優秀です。
聞き疲れしにくくゲーム実況やweb会議と相性が良い
AmpliGame H6の上質な音質は話し声と極めて相性が良く、特にふと大声を出しがちなゲーム中のボイスチャットでも音質が歪むことがありません。長時間の配信でも視聴者が聞き疲れしにくいです。
ゲーミングヘッドセットにありがちなバリバリとした歪んだ音声にはなりません。この価格帯としては確実にぶっ壊れ性能と言えます。
その反面、若干ですがキーボードの打鍵音を拾ってしまったりもします。マイクの音量設定を適切に行う必要があります。
まとめ
AmpliGame H6のレビューを行ってきました。
ヘッドホンとしての性能は無難ですが、解像度は高く、極端に音質へのこだわりが無ければ不満は生まれません。バーチャルサラウンドサウンドは好みの問題にもなってくるので、低価格で試せるH6で傾向を確認するというのもありかなと思いました。
マイクは低音の効いたクールでかっこいい系の音質が実現できてしまいます。繰り返しになりますが、マイクの性能はピカイチです。
おすすめできるのはこんな方
- 高音質なマイクが搭載されたヘッドセットが欲しい
- ゲームサウンドに自然なバランスの良さを求めている
- 低予算で済ませたい
¥5,980という価格としてはマイク性能がありえないくらい良いです。マイク単体でも¥5,980してもおかしくない性能です。またヘッドホンとしての音質も、1万円台のイヤホンをPC直挿しで使った時よりは良い音を鳴らしてくれます。ただ、ヘッドホンの刺激の強い音ではありませんね。
必要最低限な装備をしてはいるものの、音質という部分では完成度が極めて高いです。音質だけを満たすなら強力な味方になってくれること間違いなしです。
1万円代のイヤホンと5千円代のマイクを買おうとしているなら、本気でまずH6をおすすめしたいです。
コストパフォーマンスに磨きが掛かった製品になっているため、どちらかというとエントリーモデルかと思いきや、自然なサウンドで音楽鑑賞も楽しめる製品になっていますよ。
ココが良い
- 圧倒的に高音質なマイク
- 自然で音楽も聴けるモードを搭載
- 側圧が弱く頭が痛くなりにくい
- ゲーミング製品だけどデザインがシンプル
ココはイマイチ
- マイクミュートが分かりにくいかも
- RGBは消灯できない
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