ninjutso(ニンジュツォ)から発売されている、Origin One Xのレビューを行っていきます。国内では¥11,580 で販売されています。(執筆時)
Origin One XはIE3.0にインスパイアされ、左右非対称なエルゴノミクス形状で製作された65gのワイヤレスマウスです。
現状では超軽量でワイヤレスという組み合わせは非常に少なく、60g台でエルゴノミクス形状のワイヤレスマウスというとOrigin One X一択かと思います。
結論から述べてしまうと、Origin One Xは曖昧な左右非対称形状ではなく、ハッキリとエルゴノミクス形状をした、手の小さい方なら深くかぶせ持ちもできるであろうという大きさの中型マウスです。
サイズ感で言うとG PRO WL系とほぼ同じようなサイズ感です。
持った感じの重さはPRO X SLとほぼ同じくらいで、ざっくりとした違いは左右対称か非対称かというくらいの認識でいいと思いました。
平均よりも手の大きい筆者はOrigin One XをPRO X SL同様につかみ持ちとつまみ持ちで運用しています。
また、Kailh GM8.0スイッチを採用した確実なフィードバックが得られるメインボタンのクリック感は感触が良くて気に入りました。
しかし、所々作り込みの甘さも伺えます。裏面のDPI切り替えボタンがマウスソール以上に飛び出しているせいでマウスパッドと干渉する個体もあります。
そうは言ったものの、全体的には高いクオリティでまとめられており、60gワイヤレスマウスとしてはPRO X SLの次におすすめできます。
しかし、PRO X SLのようなハイエンドモデルからの完全な乗り換えとしては勧めにくいということは断言しておきます。
Origin One Xはふもっふのお店で購入できます。
Origin One X ホワイトをふもっふのお店で見てみる
Origin One X ブラックをふもっふのお店で見てみるninjutso Origin One X
ninjutso Origin One Xとは
Origin One XはIE 3.0にインスパイアされたエルゴノミクス形状のワイヤレスマウスです。
IE 3.0そのままの大きさではなく、小さく軽くしたデザインで、縦方向の視点移動もある現代のゲームにマッチさせたデザインで製作されました。
サイズ的にはG PRO WLに近いサイズ感の中型マウスです。
スペック
製品名 | Origin One X |
形状 | 左右非対称 エルゴノミクス |
サイズ | 121.3mm×58mm×40mm |
重量 | 公称 65g |
センサー | Pixart PAW3335 |
接続 | 2.4Ghz ワイヤレス 有線接続 |
ケーブル | パラコード Type-Cケーブル付属 |
バッテリー寿命 | 48時間 |
充電効率 | 5V = 500mAh USB-C 急速充電に対応 |
DPI | 400/800/1600/3200 |
ポーリングレート | 125/500/1000 Hz |
最大加速 | 40G |
最大速度 | 400 IPS |
LOD | < 1mm |
ソール | PTFE |
スイッチ | Kailh GM8.0 |
購入した理由
軽量で左右非対称なマウスをVALORANTでかぶせ持ちしてプレイしてみたかったので購入してみました。
PRO X SLを使っていることもあり80gのマウスでも重たく感じる体になってしまいました。
60g台で探すとエルゴノミクスワイヤレスマウスはこのOrigin One Xしか無かったです。
有線でもええやんという声が聞こえてきそうですがワイヤレス×超軽量はロマンです。
ロマンを求めた結果、発売日に購入した次第でございます。
届いたマウスがこちら
外箱
今回はオシャレ、オサレ、オシャンティーなホワイトを購入しました。
執筆中に気付いたんですが、冷静に考えると外箱が事前に見たレビューサイトの物と全く違います。発売からそんなに時間が経っていませんがデザインが刷新されたんでしょうか。
外箱に65G Ultralight Designと記載がされているので当サイトでは65gとして扱います。
めっちゃG PRO WLとかPRO X SLっぽい。マウスの梱包と言えばこの箱。
同梱物
マウスが乗っている黒いトレーを上に持ち上げると、その下にまた箱が有り付属品が収められていました。
付属物
USBドングルと延長アダプター
USB-C パラコードケーブル
替えのソール一式
ユーザーマニュアル
ケーブル
付属のパラコードケーブルは十分な柔らかさのあるケーブルで取り回しは良好です。
充電中でもケーブルの抵抗感がほとんど無いくらいのクオリティの高いもので、しっかりと有線接続の快適さも配慮されています。
USB-Cケーブルは一応コネクタ付近の樹脂が専用設計になっているので一般的なUSB-Cケーブルは使えません。
嵌合は余裕があり位置決めも何もされない構造で、けっこう隙間というかガタが大きいです。
専用設計にしたのに端子が引っ張られるのを防止するためだけっぽい構造です。
正直なところ微妙ですね、ここは汎用USB-Cケーブルが使えるようにしておけばよかったのでは感が強いです。
あと、マウス本体に差し込むのにけっこう力が必要です。
思い切ってパチっと音が鳴るまで差し込まないとハマりきっていないので接触不良になります。外す時にもげたりしないか心配になりました。
延長アダプターには謎の接着剤のあとがあって大陸クオリティを感じました。
実用上は何も問題無いのでいいんですけど、コストが安めの現地生産工場を使ってコストダウンに成功した感が滲み出ています。
外観
ボディと形状
ボディ形状は親指と小指が自然に当たる部分がくびれた形状です。
マウス中央が一番高くなっていて、側面の前後形状は左右対称に近い形状になっています。
マウス中央が一番高くなっていることにより、マウス後部の高さはありませんが平べったく感じにくい構造になっています。
コーティング
艶消しのホワイトで表面の質感は初代G PRO WLと全く同じ質感です。
ツルツルとはしていない少しザラつきを感じる質感で、初代G PRO WLでは人によってはサラサラ滑るかもというレビューを見たことがあります。
手汗をあんまりかかない人はOrigin One Xも滑るのかもしれません。
筆者は手汗マンなので、汗をかいた時に丁度いいグリップ感が得られています。汗をかきまくったときでも汗で滑る感じはありません。
重量
PRO X SLが61gで測定できる計りでOrigin One Xは65gでした。
70gを切ると重さの差がほとんど誤差のように感じられます。Origin One Xも十分すぎるほど軽いです。
大きさ比較
PRO X SLと並べてみるとサイズ感はほとんど同じに見えます。縦幅はOrigin One Xの方が短いです。
使用感
持ち方との相性
持ち方との相性を見ていきます。かぶせ持ち、つかみ持ち、つまみ持ちと順番に見ていきます。
筆者の手は長さ20.5cmで、日本人男性としてはかなり大きめです。
また、指の長さや手のひらの大きさ、持ち方の癖は人それぞれ異なるということを前置きしておきます。
かぶせ持ち
かぶせ持ちをするには少し大きさが足りないと思いました。
手のひらと指先を全面フィットさせるにはかなり窮屈で、小指が常にマウスパッドに接地してしまうのと、中指が右メインボタンから大きくはみ出てしまいます。先端の長さとマウス後部の高さがもう少し欲しいと思いました。
意外にもOrigin One XよりPRO X SLの方が長さがあるのでかぶせ持ちしやすいです。
筆者の手には完全に深くかぶせ持ちをするならPro IntelliMouseくらいの大型マウスが必要です。
手の小さい方であればもっとべったりかぶせ持ちできると思うので、筆者のように手の大きい方だとOrigin One Xでは、前後の長さが短くてかぶせ持ちがやりにくいということを知っておいてください。
つかみ持ち
つかみ持ちをするには丁度いい大きさです。
マウス右サイドに薬指を自然に添わせた状態で、くびれ部分には親指と小指が自然にフィットします。小指の付け根にはマウスのお尻が当たって丁度いいホールド感が得られます。
親指からサイドボタンまでの距離も自然で、サイドボタンを素早く押すことのできるバランスの取れた持ち方に感じます。
一般的な手の大きさでもつかみ持ちで持ちやすいサイズ感だと思います。想定された持ち方はつかみ持ちである方がサイズ感的にも自然な気がします。
筆者がVALORANTをやる場合、この持ち方がホールド感のある確実なコントロールができてやりやすいです。
つまみ持ち
筆者の手のサイズだとつまみ持ちをするのにも丁度いい大きさです。左右非対称構造で独特なフィット感が得られます。
指が長い人限定ですが、つかみ持ちで小指がおさまっていた所に薬指がいい感じにハマるのと、親指と小指がくびれを通り越したハの字形状にフィットするようになるので、意外にも指先だけでの操作がしやすいです。
メインボタンのクリック感も大きく変化することなく、つかみ持ちの時と同様なフィーリングで押すことができます。
ただ、視点移動の操作はやりやすいですが、親指からサイドボタンまで距離が遠くなってしまうので、素早くサイドボタンを押したりするのには不向きだと思いました。余裕のある操作が求められます。
上下の視点移動が忙しいApex Legendsではこの持ち方でプレイしています。
筆者の指の長さならリコイルコントロールが指先だけでできてしまうので縦の可動域が広く確保できます。
至近距離線では肘での上下移動も合わせて行うことで画面外に飛び出して行った敵も追い続けることができます。
重心
重心はほぼマウス中央にあり、持ち上げた時に前後に傾くことがありません。親指と小指の2本で持ち上げても安定します。
軽さも相まって余計な力を入れなくても軽い力で持ち上げることができるので、ローセンシプレイヤーが振り向き動作で頻繁にマウスを置き直しても疲労感が溜まりにくいです。
スイッチ
メインボタン
メインボタンのスイッチはKailh GM8.0が採用されています。
少し重みのある確かなフィードバック感が特徴のスイッチで、カチカチッという軽快な操作音がクリックをしていて心地良いです。
若干押し込みが固めではあるものの、返りが速くて連打をするのにも適しています。
押し込んだ時も返ってくる時もスイッチの遊びがほとんど感じられないので、タイトでタイムラグの無い信頼性の高い操作感でゲームがプレイできます。
有名デバイスメーカーのオリジナルスイッチは柔らかくて遊びが多いと感じている方には強くおすすめできる感触です。
ホイール
ホイールは凹凸のあるラバーで覆われた一般的な物です。
ホイールを回すと適度な重さと強めのノッチ感があります。このホイールも遊びがほとんど無いタイプでタイトな操作感ですが、何回回したのか分かりやすく、確実な操作が求められる場面でも安定した操作が期待できます。
素早く回し続けるとゴリゴリと音が出ますがうるさくは感じません。
ホイールクリックはメインボタンの重さにかなり近く設定されています。メインボタンよりは少しだけ押し込むのに力が必要ですが、こちらも遊びがほとんど無くタイトな操作感で、確実な操作ができるため誤クリックは起こりにくいです。
サイドボタン
サイドボタンは平面状に飛び出したボタンではなく、全体に3D形状で立体感のある、前後で独立したボタンが採用されています。
どんな風に持っても親指の上に来るような位置にサイドボタンが配置されています。
押し心地はメインボタンやホイールクリックと同様になるべく重さが統一されていて、これまた遊びのほとんど無いタイトな操作感のスイッチです。
ストローク量もメインボタンとほとんど同じで、サイドボタンとしては少しだけ深めな押し込み具合のスイッチになっています。
光沢感のあるボタンは汗をかいても滑りにくく、前後で立体感が異なるので識別が容易なため、手元を見ずに操作しても押し間違いしにくいです。
センサー
筆者はフィーリング重視でゲームプレイをして問題があるかどうかで判断しています。
ゲーム上ではセンサーテスト用ソフトウェアによる測定時の様な極端な動作はしていないからです。
Pixart PAW3335のトラッキング性能についてですが、ゲームプレイをしてみても変な挙動は一切しなかったので実用上には問題無しなセンサーということにさせていただきます。
LOD
LODのかなり短いPRO X SLと比較するとLODが長く感じる程度です。実用上に問題の無い十分な短さのLODだと思います。
振り向いたあとにマウスをホームポジションに置き直す動作では、大げさに腕を上げなくてもセンサーが誤反応することは無かったです。
DPI切り替えボタン
DPI切り替えボタンは本体裏面に設置されています。ブヨブヨとした押し心地で、ここは必要最低限の質感といったクオリティです。
筆者の個体では、このDPI切り替えボタンが下を向けた時に重力で下がってきてソールよりも飛び出してしまうためマウスパッドに擦り付ける感触と音が発生します。
イヤホンをしていないと普通に聞こえるくらいの音量でジョリジョリっと聞こえるので、DPI切り替えボタンはマウス表面のホイール下の配置でも良かったんじゃないかなと思いました。
ソール
ソールはPTFEが採用されていて純正にしてはよく滑るソールです。マウスパッドの繊維がソールの接着剤に巻き込まれていますが滑りに変化が起こったりはしませんでした。
DPI切り替えボタンと高さに差が無さすぎるので、あともう少しだけ厚いソールに交換したいと感じました。
欲を言えばセンサー周りにもソールを配置して、マウスパッドの歪みをマウスソールが無い部分で吸収してしまわないように配慮してほしかったです。そのせいでDPI切り替えボタンがマウスパッドと接触してしまっている気がします。
些細なところですが、センサー周りにソールを配置しているマウスはこの辺を考えて作られているのでポイント高いです。
有線接続とバッテリー充電時間
充電する時は延長アダプタからケーブルを外してマウス端子部分に差し込みます。
有線接続
専用コネクタ形状にしたのに上向きに跳ね上げられていないというまさかの接続部分。左右のグラつきは吸収できているものの、上下のグラつきはまんまType-Cのハマり具合、固さに依存するというビックリ仕様。
正直ここは専用設計にしなくても汎用品がハマるようにしておけばよかったと思います。
もし専用設計にするなら『切り欠き』を設けて上下のグラつきも固定できるようにするべきだったと思います。別のマウス設計を流用しているのでしょうか、真相は謎です。謎コストと思わざるを得ません。
先にネガティブな点を挙げてしまいましたが、実用上には全く問題の無い有線接続の操作感です。
程良い柔らかさのあるケーブルはマウスバンジーを使わずとも軽快に取り回すことができて引きずり感はほとんどありません。というか、ずっと有線でもええやん感はあります。
パラコードケーブルの採用をしたのはユーザーファーストで賢い判断だと思います。
バッテリー充電時間
48時間がバッテリー寿命らしいですが、急速充電に対応しているので15分でも充電すればその日は問題無くワイヤレスで使用できます。
この特性のおかげでほとんどの時間はワイヤレスで運用できます。
充電中はON/OFFスイッチ上のインジケーターランプが緑色に点滅し、充電が完了すると点滅から点灯に変わります。
バッテリー残量が少なくなるとインジケーターランプが赤色に点灯します。
裏面にあるので少しわかりにくいですが、裏面さえ見ればすぐに確認できることなので大事な場面の前にチェックするだけでいいいいんじゃないかと思います。
幸いにも有線接続時の使用感が悪くないので、動かなくなったら速攻付属のパラコードケーブルをぶっ挿しましょう。
まとめ 思ったよりも中型なエルゴノミクスデザインのワイヤレスマウス
総括と使い方提案
ninjutso Origin One Xについてレビューを行ってきました。
DPIスイッチの引きずり感、必要性の無さそうな専用設計コネクタと、多少のネガティブな要素はあるものの、有線接続用のパラコードケーブルは高い質感で、スイッチ・ボタン系についても完成度が非常に高く、ハイクオリティな超軽量ワイヤレスマウスだと好印象を持ちました。
表面の質感も手汗が多い筆者にはフィット感が強く得られます。
特にスイッチ・ボタンの遊びを嫌うプレイヤーにはかなり好感触な操作感が得られるワイヤレスマウスだと思います。
¥11,580 という価格的にも、とりあえず初めて購入する超軽量マウスとして提案できます。
使い方提案
サイズ感はG PRO系と同じくらいなので、手の大きい人がかぶせ持ちをするには無理がある大きさのマウスです。手が小さい方であれば深くかぶせ持ちできると思います。
しかし、意外にも掴み持ちだけでなくつまみ持ちでも独特なフィット感が得られるので、単純に軽いワイヤレスマウスを探している方、手の大きい方にもおすすめできます。
筆者的には近いサイズと重量のハイエンドマウス PRO X SLとでもフィット感の好みで決めてしまっても後悔しないんじゃないかなと思えるマウスです。
65gの安定した重心はローセンシのプレイヤーが頻繁にマウスを置き直しても疲れにくいです。
しかし、すでにPRO X SLのようなハイエンドで短いLODのマウスが気に入っている場合はOrigin One Xの長めなLODは気になると思います。
ココが良い
心地よくタイトなクリック感のスイッチは正確な操作が可能
意外にも持ち方は限定されない
軽量ワイヤレスマウスとしては安価でエントリーモデルとしても提案できる
ココはイマイチ
DPI切り替えボタンがマウスパッドに擦れてしまう個体もある
バッテリー残量がわかりにくい
ninjutso Origin One Xはふもっふのお店で購入できます。
Origin One X ホワイトをふもっふのお店で見てみる Origin One X ブラックをふもっふのお店で見てみる