HyperXから販売されているFURY S Speed Edition Proについてレビューを行っていきます。
このFURY S Speed Edition Proは、以前レビューしたG640rと同じく説明不要なゲーミングマウスパッドですが、当サイトでも評価基準として使用したかったので比較用に導入してみました。
今回はそんな定番マウスパッドのレビューです。
結論から述べてしまうと、FURY S Speed Edition Proは、Speed Editionと銘打っているものの、2020年以降に発売されたマウスパッドと比較すると若干コントロール寄りと表現できる扱いやすさのあるマウスパッドです。
縦横で滑りの差は無く、滑り出しは軽く、左右に切り替えした時の抵抗感も少ないため、筆者が考える『流行りの操作性』です。
さらに、この価格帯でもソフトクッションが採用されていて、幅広い操作の表現ができる製品になっています。
エンドースメントしているプロゲーマーにも使われているだけあって、特に大きな問題は無い操作感のマウスパッドです。
ウィークポイントが完全に無いわけでは無いものの、Lサイズ相当で¥3,033というコストパフォーマンスの良さも、大手企業だから成し得る価格と思わされました。
良い意味で値段と釣り合いが取れていないと感じられる性能は、珍しく手放しでオススメできるマウスパッドとして紹介できます。
サイズ展開も豊富で多くの需要を満たしてきた製品です。販売終了にもなりにくそうなので安定した供給を望むユーザーにとっては重宝される存在だと思います。
実店舗に実機が展示されている場合も多いため、是非、店舗に出向く機会があれば実際に触れてみてください。
HyperX FURY S Speed Edition Proとは
HyperXが提案するFURY S Proシリーズの、スピードを追求した表面素材のバリエーション製品です。
スピード域としてはG640rと同等で、Speed Editionと銘打っているものの、速すぎることもなく遅くもなくという絶妙な滑り具合です。
さらに、FURY S Speed Edition Proはソフトクッションが採用されていて、マウスをマウスパッドに押し込んで摩擦抵抗を増やす使用方法も狙える万能なマウスパッドです。
サイズ
サイズラインナップが豊富で、サイズ展開で不満を抱くことは無いと思えます。
HyperX FURY S Speed Edition Pro Mサイズ | HyperX FURY S Speed Edition Pro Lサイズ | HyperX FURY S Speed Edition Pro XLサイズ | |
素材 | 布 | 布 | 布 |
サイズ | 360mmx300mmx3mm | 450mmx400mmx4mm | 900mmx420mmx4mm |
カラー | 黒x赤 グラフィックプリント | 黒x赤 グラフィックプリント | 黒x赤 グラフィックプリント |
発売日
発売日は2018年6月4日です。
2018年というとPUBGがリリースされた後なので、現代的な操作感で作られているのはそのためですね。
いよいよゲーミングPCがじわじわと広まりつつあったころでもあり、謎なバカゲーなんかも多くリリースされていたカオスな年でもあります。
きっとバカゲー向けに作られたわけでは無いというのは明確なんですが、当時ってプレイヤーからはどんなマウスパッドが求められていたんですかね。
購入した理由
定番製品の操作性を知りたくて興味本位で購入しました。
主にレビューする製品と比較して、比較した製品はどの立ち位置にあるのか照らし合わせる用途が主です。
実店舗によく展示されているのも理由の1つです。多くの人が手に取る機会が多いデバイスは、例えとして出しやすいんですよね。
届いた FURY S Speed Edition Proをチェック
外箱
今回購入したのはXLサイズです。
HyperXらしい赤が基調のパッケージで、外径は一般的なマウスパッドの箱よりも若干大きめで、巻きグセにも配慮している感があります。
大手デバイスメーカーは外から触れられる仕様のパッケージデザインであることが多いです。謎です。
外観
今回購入したのはXLサイズで広げてみるとかなり大きいです。デスクマットとして使える大きさです。
マウスとマウスパッドを置いても、まだまだ余裕のある大きさ。
開封時にゴム系のニオイは若干ありましたが、そこまで強くなく、気分が悪くなるほどではありません。ラバー臭アレルギーの方でも問題無しな微スメル。
巻グセ
巻グセはそこまで強くありません。
XLサイズだと、マウスパッド左側に巻きグセが来るようになっているので、はじめから快適に使うことができます。
素材感
表面
表面素材ですが、見た感じはよくある布製マウスパッドといった感じです。G640rと触り心地は似ています。
G640rよりも柔らかい質感で、触り心地は良く、滑らかで手肌に優しい生地感です。この生地特有な若干の起毛感があってウェット系の感触です。
指で撫でてみると、横よりも縦のほうが僅かに抵抗感があります。
裏面
裏面は円形の滑り止め加工がされています。HypeX特有の加工です。
滑りやすいわけでもなければ滑りにくいわけでもないというなんとも言い難い質感です。
横から押してみると結構簡単にずれます。プレイ中にも徐々に上に上がるようにずれていくのでたまに置き直す必要があります。
価格が価格なのでしかたありません。G640rよりは滑りにくいです。
中間層
中間層は指先で押すと、面で沈み込む特性で、マウスを押さえつけるとハッキリと沈んでいる感覚が得られます。
表面素材も柔らかいため、ソフトクッションマウスパッドとして紹介しても差し支えないと思います。
ステッチの処理
ステッチの処理ですが、若干の部分的なうねりはあるものの、高さがマウスパッド表面と同じになっているため、高く評価できます。
価格を考慮すると、うねりは操作面にそこまで影響するものではないため、高さを優先したことは素晴らしい判断だと思いました。
この価格帯だと、FURY S Proシリーズくらいしかステッチの高さがマウスパッド表面と同じになっているマウスパッドって存在していなんじゃないでしょうか。
マウスパッドからマウス上端がハミ出しがちな方でも、操作を限定されることなく快適に操作できます。
ステッチ自体も柔らかい糸で構築されているため腕が擦れても痛くなることはありません。
操作感
ゲームでの操作性
FURY S Speed Edition ProはG640rのようなバランスタイプのマウスパッドで、滑り自体はプレイヤーが意図的に速くも遅くもできる操作性です。
G640rとは異なり、縦横で滑りの差はありません。
滑り出しも軽く、左右に切り替えした時のギュッギュとした抵抗感も少なめです。
速く大きく動かしても抵抗感の変化はありません。
速度域で言うと最高速は速くはありませんが、最低速度が少し速めです。
筆者の持っている布製マウスパッドで滑りの速さの比較をすると
Qingsui 2 ≧ EBA BLUE > GP4 ≒ Longteng ≒ G640r ≒ FURY S Speed Edition Pro ≒ FOCUS 2 ≒ PARABREAK> QcK HEAVY > QcK > QcK Edge といった具合です。
筆者の感覚的には、Xtrfy GP4に操作感が近いです。滑り出しの軽さはGP4の方が軽いですが、ソフトクッションということもあり、全体のフィーリングは似ています。
軽い滑り出しから、滑らせている間の速度の繋がりが自然でコントロールしやすいです。ほぼ無抵抗で滑り出したらはじめの力の入れ加減のまま操作ができます。
FURY S Speed Edition Proは2018年発売ですが、筆者の考える2020年以降に発売されたマウスパッドに共通する『流行りの操作性』です。
マウスソールにマウスパッドが吸い付いているような感覚があり、トラッキング操作は動かしている感覚が分かりやすくやりやすいです。
上下左右への視点移動が忙しいApex Legendsのようなゲームをよくプレイする方にはピッタリの特性だと思います。
止め性能については、ソフトクッションを採用しているため、表面素材とクッションを沈ませてストッピングパワーを引き出すことができます。
FURY S Speed Edition ProはXtrfy GP4よりも少しだけクッションが柔らかいため、マウスが沈んでいる感覚が掴みやすく、沈んだフィーリングを頼りに操作をすることもできます。
そのため大きく速く動かして止めるという動作もやりやすくできています。
スピードとコントロールのちょうど間を取ったような性能で、どんなゲームタイトルでも卒なくこなせるマウスパッドだと思いました。
湿気による変化
手汗の湿気による変化は起こりませんでした。
風呂上がりに操作しても操作感は変わりません。
安定した操作性を維持できます。
起毛感のあるマウスパッドに共通しますが、汗をかいてくると手首や腕への張り付き感が少しだけあります。
耐久性
よく使っている部分は徐々に滑りが悪くなります。また、滑らなくなってきたことを実感しやすい素材感です。
比較的、早期から症状が表れてくるため、汚れを取り除く等の手入れをした方が使い始めの使用感を継続させやすいマウスパッドです。
起毛感が無くなってきたと思ったら撫でてあげるだけでも回復します。
まとめ
FURY S Speed Edition Proについてレビューを行ってきました。
ソフトクッションマウスパッドを低価格で試してみたいならこのマウスパッドです。
厚みが4mmでソフトクッションを採用した、縦横で滑りの差が無いことと軽い滑り出しという所謂『流行りの操作性』をしたマウスパッドです。
滑り出しから滑っている間の速度の自然な繋がりで、挙動が掴みやすくコントロールしやすいです。
Speed Editionとは銘打っているものの、氷上を滑らせたようなツルツルとした操作感ではないため、バランスタイプのマウスパッドを探している方にオススメできます。
そして、¥3,000台でステッチ処理されているというところだけでも十分ありがたいことなんですが、FURY S Speed Edition Proはそのステッチの高さもマウスパッド表面素材と同じ高さにするという、大企業だからこそできるアプローチの製品です。
ソフトクッションマウスパッドが気になるけど、高価なことが気になるという方、低価格でも満足の行くステッチ処理がされたマウスパッドを使いたいという方、幅広い方にFURY S Speed Edition Proは提案できます。
ウィークポイントとしては変化の現れやすい表面素材のため、定期的なメンテナンスを推奨したいということが挙げられます。
しかし、それを考慮しても、この価格帯でここまで高水準なアプローチができるのはFURY S Speed Edition Proくらいなのも事実なので、是非色んな方に試してみてほしい製品です。
ココが良い
- 実店舗に行けば高確率で販売されている
- 低価格でソフトクッションマウスパッド
- 滑り出しは軽く左右に切り替えした抵抗感も少なめ
- 筆者的にはG640rよりもオススメ
ココはイマイチ
- 名前はSpeed Editionだけどスピード特化では無い
- 表面素材は変化が現れやすい