『イヤモニってなに?イヤホンとどう違うの?』『ゲームで使っている人は多いの?』
この記事で知られること
- イヤホンとイヤモニの違いについて
- おすすめのイヤモニとイヤホン
- おすすめの使い方
最近は、FPSゲームでもイヤモニを使おうと思っているゲーマーが増えてきています。実際にイヤモニはFPSにとてもおすすめです。
しかし、イヤモニと言ってもその製品のコンセプトは様々で、ステージモニター用から音楽制作向けまで多種多様になっています。共通しているのは『音楽を聴くためのものではない』場合がほとんどということくらいで、ただイヤモニを購入すればすべて解決というわけではありません。
今回はそんな『イヤモニ』について、音楽もFPSも追求してきた管理人が、実際にゲームで使ってみて感じた特性について解説していきます。
イヤモニとは
イヤモニとは【イヤーモニター】のことです。そのイヤーモニターの役割というのは、今どんな風に音が鳴っているのかを確認するため、所謂『モニター・モニタリング』するためにつくられたものです。プロが使う業務用のイヤホンと言うとわかりやすいかもしれませんね。
イヤモニの用途
- どんな風な音になっているか聞くため
- ステージで動きながら使う
- 動いても外れないでほしい時に使う
用途は音楽鑑賞などではなく、アーティストやステージパフォーマーがライブ中に音を確認するために使うものでした。マイクで拾った自分の声を耳へ返したり、リズムを取るためのクリック音なんかも聞いていたりします。
最近ではアイドルのライブ映像を動画サイトなどで見ることができますが、激しく踊りながら正確に歌うためにイヤモニをしているのが確認できます。
イヤホンとの違い
【イヤホン】
音を鑑賞するためのもの
イイところ
- 音楽が楽しく聞ける
- 適当に使える
- 種類が多い
- 低価格な製品も多い
イマイチなところ
- 拡張性が少ない
- 質が悪い製品もある
【イヤモニ】
音を確認するためのもの
イイところ
- 定位が正確
- 細かい音も聞き分けられる
- 耳にしっかり固定できる
- 音質に間違いがない
イマイチなところ
- 高域がキツめな製品がある
- 着け方が特殊
しかし、最近では定位の良さと音の確認という使い方がゲームにもマッチするため、ゲームでも使う方が増えているのがイヤモニです。
3つのおすすめ定番イヤモニを解説
さて、そんなゲーマーにも普及したイヤモニの中でも特にメジャーなイヤモニを紹介していきます。
ド定番からニュースタンダードまで3つ紹介します。とりあえずこの中から買っておけばOKです。
SHURE SE215
SHURE SE 215 AONIC 215 | |
ドライバー | ダイナミックドライバー x1 |
周波数特性 | スタンダードエディション (クリア・ブラック) 22Hz~17.5 kHz スペシャルエディション (ブルー・パープル) 21Hz~17.5 kHz |
インピーダンス | 17Ω (1kHz) |
コネクタータイプ | MMCX |
価格 | Amazon価格 : |
使い勝手 | ふつう |
イチオシポイント | 遮音性MAX |
SE 215はステージモニター向けのイヤモニです。
発売日は2011年なので、もうなんだかんだ12年 (記事執筆時点) の前のイヤホンで、現在だと音質はそこまで良いとは言えませんが、悪いわけでもありません。
音の分離や解像度はほどほどで、良くも悪くもパキパキとせずモニターとしては聞きやすい無難な音質です。
高域の伸びや低域の解像度もほどほどで、大音量で聴いても耳が疲れにくい出音になっています。
また、遮音性が抜群で、1万円台のイヤモニの中では性能が圧倒的です。スタヌの使っているヤツ。
低域強化モデルがSE 215 SPE
マイク・リモコン付はAONIC 215
Sennheiser IE 100 PRO
IE 100 PRO | |
ドライバー | ダイナミックドライバー x1 |
周波数特性 | 20Hz~18kHz |
インピーダンス | 20Ω |
コネクタータイプ | Pentaconn ロング |
価格 | Amazon価格 : |
使い勝手 | 良い |
イチオシポイント | 臨場感がある |
Sennheiser IE 100 PROのレビュー記事を見に行く
IE 100 PROはステージモニターにとどまらず、音楽制作も想定したイヤモニです。
音質は音楽も楽しく聴けるような、少しリスニングライクな調整になっています。
解像度はかなり高くなっていますが、音の輪郭は少し分かりにくいかもしれません。
超低域が聞こえやすいだけでなく、超高域も元気に出ているため、大音量にすると金属質な音やなにかに擦れるような音は耳障りに感じるかもしれません。
遮音性はほどほどですが、イヤーピースを変えるとつけ心地も遮音性もアップし、超高域を抑制する余地があります。
音場が広めで、臨場感が欲しい場合におすすめです。
人気すぎてしょっちゅう在庫切らす困ったちゃん
Acoustune RS THREE
RS THREE | |
ドライバー | ダイナミックドライバー x1 |
周波数特性 | 20Hz~40kHz |
インピーダンス | 32Ω (1kHz) |
コネクタータイプ | Pentaconn ロング |
価格 | Amazon価格 : |
使い勝手 | とても良い |
イチオシポイント | 細かな音が聞きやすい |
Acoustune RS THREEのレビュー記事を見に行く
RS THREEは音楽制作向けのイヤモニです。
音の輪郭がハッキリとしていて硬さを感じるモニターらしい音質です。
音場も狭く、すべての音が耳から近い距離で聞こえてきます。
いつでも聞き分けのしやすさを感じられるイヤモニで、音の解像度と分離を求めるならRS THREEでしょう。
低域の解像度は1万円台のイヤモニでも随一のクオリティーで、ベースラインの聞き取りやすさは感動モノです。
あとはケーブルが1.8mととにかく長いです。取り回しも良いので価格以上の性能を持っています。
遮音性もかなり良いのでニュースタンダードと言えるイヤモニが登場です。
繊細な聞き分けができる頼もしいヤツ
3つを比較していく
ここからは管理人が実際にゲームで各イヤモニを比較してみて感じたことを書いていきます。
結論から述べてしまうと、音の硬さで選ぶことになります。
周波数特性に大きな差
周波数特性 (高域寄り、中域寄り、低域寄り) に大きな差があります。
もっともフラットなのがRS THREE、中域が少し引っ込んだように聞こえるのがIE 100 PRO、中低域に寄ったように聞こえるのがSE 215です。
しかし、周波数特性が異なっていても、もともとゲームの設計上、ゲーム内で強調された音は聞き取りやすくなっています。過剰なイコライジングを行わなくても問題なくゲームはできます。聞こえないのであればイヤホンが悪いと言うよりも、ゲーム設計がよろしくないと考えてください。
問題なのは音の解像度です。音が小さくても音の輪郭がぼやけず埋もれず鮮明に聞こえるようにするには、ドライバーの性能が大きく影響してきます。音の輪郭が聞き取りやすいドライバーであれば周波数特性は大きく気にしなくても問題ありません。
イヤーピースの交換で周波数特性は簡単に変えられるため、周波数特性以外の装着感や遮音性の要素で選んだほうが失敗しにくいです。
イヤーピースについて詳しく知りたい方は以下の記事を見てみてください。
音の硬さで差が大きい
音の硬さでは明確な差を感じ取ることができました。音が硬くなっていくと『カンカン』『カキンカキン』とした金属音が、もっとカッチカチに冷たく聞こえるようになります。
例えば、自身の銃声が少し大きく聞こえるくらいに設定した時に、敵に着弾した音がめちゃくちゃカチンカチンに聞こえるのが音の硬さです。耳元で鍋をカンカンすると少し不快になることが想像できますかね。
RS THREEがもっとも硬く、IE 100 PROがそこそこ硬く、SE 215は硬さを全く感じません。『カンカン』『カキンカキン』とした金属音を耳障りに感じる方はSE 215が無難です。
ただ、音が硬いと小さい音の輪郭も聞き取りやすいです。そのため、ボリューム設定を見直すことで快適なサウンドを聞くことはできます。
硬い音が苦手な方におすすめなのはSE 215です。
空間の広がりも差が大きい
空間の広がり『音場』も差があります。音場が広いとまるでその場にいるような臨場感が生まれます。その半面、音が広がりがちに聞こえるため、音の聞き取りという部分では鮮明さに欠けるように感じるかもしれません。
音場についてはIE 100 PROがもっとも広く、耳の外で鳴っているかのように感じられるときがあります。そのつぎにSE 215ですが、SE 215は良くも悪くも特徴がありません。RS THREEはもっとも音場が狭く、まるで耳元で鳴っているかのように感じます。
音を分析的に耳元でダイレクトに聞き取りたいのであればRS THREEが良いです。
楽しくゲームをするならIE 100 PROです。
ぶっちゃけ定位はどれも大差無し
大手オーディオメーカーが普及価格帯として大真面目に製作したイヤモニとだけあって、定位は申し分ないレベルで高水準です。
音楽を聴いても特に定位がおかしいことはありません。音楽制作向けに作られたものもあるので当然と言えば当然ですね。ゲームでも何不自由なく扱える定位はどれもだいたい同じです。
解像度の差はあれど、定位の差を感じたくて数種類からイヤモニを選別するというのはナンセンスかもしれません。
解像度もゲームでは分かりにくい
音の分離や音の輪郭、解像度も、いざゲームをやってみるとそこまで差が出ません。ぶっちゃけ数分着けていれば慣れてしまうくらいの差です。
音楽を聴くとめちゃくちゃ差が出ますが、ゲームはそこまで複雑な音が鳴っているわけではないので差が出ませんでした。
まとめと結論とおすすめ
さて、ざっくりとした解説でしたが、特徴はつかみやすいので要点をまとめていきます。
ゲームが用途なら、ここから書いていく特徴に当てはまるものから選んでしまって問題ありません。
特に特徴を求めないならSE 215が無難です。良い意味で大衆向けなサウンドにまとまっています。
無難オブ無難と言ってしまって良いでしょう。周波数特性の変更も簡単で、付属のイヤーピースをすべて試してみると差を感じることができます。Spinfit CP100 (商品ページ) に交換するとめちゃくちゃ派手な出音になります。
楽しむことに重点を置くなら音場が広く、超低域と超高域が元気でわかりやすいサウンドのIE 100 PROがいいです。派手な音とも受け取れますが、臨場感があると単純にゲームへの没入感が増えます。
発売後、めちゃくちゃ売れているので、とくにSE 215でいけない理由が無いのであれば、設計が新しいということもあってIE 100 PROはかなりおすすめです。
付属のイヤーピースは中域が引っ込んでドンシャリ気味に聞こえるというのと、超高域がシャンシャンうるさく感じる人もいるかもしれません。
そんなときはSpinfitのCP100に交換してみるのがおすすめです。中域が出て相対的に高域が弱く聞こえるようになります。シャンシャン具合もイヤーピースの交換で簡単に変えられるため、イヤモニを新しい趣味としても楽しみたいと思っている方におすすめです。
聞き分け能力にこだわるなら今回紹介したなかでも圧倒的な解像度を誇るRS THREE一択です。周波数特性であればイヤーピースの交換で調整の余地がありますが、解像度はドライバーのそもそもの性能の一部です。あとから調整するということはできません。
全体的な出音もどこかがうるさく感じるということもありません。しかし、とにかく音が硬いです。音像も近く、いつでも音の確認ができますが、音の硬さに慣れることができないかもしれません。
そんなときは、またしてもSpinfit CP100 (商品ページ)の力を借りましょう。硬さがかなり和らぎ、超低域も良く聞こえて音場も若干広く臨場感が出せます。
イヤーピースを変えて楽しむべし
硬いイヤーピースはそのまま音が硬くなります。柔らかいイヤーピースはそのまま音も柔らかくなります。まずは付属のイヤーピースを片っ端から試してみて好みの音にさらに近づけてみてください。
少し冷たく感じるようなチューニングなイヤモニ達も、今回紹介した柔らかいイヤーピースSpinfit CP100 (商品ページ)を使うことで音の硬さ、柔らかさを調整することができます。
リケーブルよりも低コストで効果があるものなので、ぜひイヤモニを導入して楽しいゲームライフを送ってください。
ゲーミングイヤホンじゃなくて全然大丈夫ですよ!!