『自分の声しか拾わない単一指向性マイクがほしい』『単一指向性のマイクを買えば良いんだよね?』
この記事で知られること
- 単一指向性のマイクとは
- 意外と多い誤った使い方
- 自分の声しか拾わないセッティングが必要
単一指向性のマイクを買ったからといって『ハイ!これで自分の声しか拾わない!』というわけではありません。
たとえ単一指向性のマイクでもマイクとの距離や置き方や設定などのセッティングが間違っていると、家族の声やキーボードの音を拾ってしまいます。
単一指向性のマイクに限らず、どんなマイクでも使い方が重要です。
この記事では普段からマイクや配信機材のレビューを行っている管理人が、マイクに詳しくない人がハマりがちな問題と解決方法について解説していきます。
単一指向性のマイクとは
単一指向性のマイクとは、読んで字の如く『単一の方向からしか音を拾わない』というマイクです。
ただ、単一指向性といっても音を拾う範囲が狭いという特性のことを表しています。
単一指向性
- 基本的に目の前の音を最も拾う
- マイクのセッティングが分かりやすい
- 種類が多い
基本的にマイク正面の音しか拾いにくい特性になっていますが、それは範囲の話です。
単一指向性のマイクは真上からマイクを見た時、マイク正面からの指向性が狭いだけです。左右の横方向の話というと分かりやすいかもしれません。
距離の話ではありません
単一指向性のマイクは音を拾う範囲こそ狭いですが、音を拾う距離はマイクゲインが決めるものです。
単一指向性の音を拾う方向性をイメージ図で解説していきます。
横 (断面) からマイクを見てみるとマイクの指向性はマイク正面に向いていることが分かります。
ただ、この拾う距離というのは実質的にはゲインが決めています。
マイクが声だけを拾えるゲインにしていれば環境音を拾いません。しかし、ゲインを上げすぎていると声の他にも拾える音が出てきてしまいます。
単一指向性=自分の声しか拾わないというわけではないということです。
ゲインやマイク感度設定については以下の記事で解説しています。
誤った使い方
どんな用途で使うかにもよるんですが、例えば配信やゲームでのボイスチャットでは避けたほうがいい使い方について解説していきます。
モニター下などの離れた位置に置く
このセッティングはマイクと口元の間にキーボードが挟まれています。そのため、距離が遠くゲインを上げる必要もあるため、キーボードの操作音が爆音で拾われます。
音声サンプルを聞いてみましょう。
キーボードを一切打鍵しないような使い方ならアリですが、キーボードを使うPCゲームには向いていません。ノイズキャンセルソフトを使うくらいならヘッドセットで十分な音質になります。
たしかに、マイクに付属しているスタンドはスタイリッシュで角度も変えられるようになっています。そのまま使えるのがミニマルでいいと思います。
ただ、マイクというのは置物やインテリアではなくもともとは音楽機材です。無理やりデスクワーク用途として使っているだけで、本来の使われ方ではありません。
基本的にはノイズを拾わないようなセッティングをするのが大前提で、ノイズキャンセルやノイズリダクションはそれでも環境音が入ってしまうときに致し方なく使うものです。
セッティングが必要
単一指向性のマイクはただ置けば自分の声しか拾わないというわけではありません。
マイクの配置位置・セッティングが重要です。環境音を拾うかどうかはそれ次第だと思ってください。
基本的に集音対象の眼の前に
マイク自体がそうですが、基本的に拾いたい音だけを拾うために、対象となる音が出ているところの目の前にセッティングしてください。
音声サンプルを聞いてみましょう。
マイクで声を拾うのであれば、口元の前です。
口元の目の前に置かなければ、マイクと口元の間で鳴っている音も拾えるセッティングになっています。
単一指向性マイクの自分の声しか拾わないセッティング
- 口元の目の前にセッティング
- 口元からの距離は3cmから15cm
- 集音部を口元に向ける
- 声しか拾えないゲイン設定
コレ以外に環境音を拾わないようにする方法はありません。防音室や吸音材というのは録音環境を整えるだけです。マイクの位置やマイクのゲインが間違っていればキーボードの音を爆音で拾ったり、音割れが起きていたり、最悪なマイク音声になります。
イメージ図で表すとこんな感じです。当然マイクから距離が空いていると声を十分な音量で拾わせるためにゲインを上げる必要もあるため、環境音も大きく拾ってしまいます。
この状態で『コンデンサーマイクで感度が良すぎてなんでも音を拾ってしまう』とレビューをしている人がいますが、安心してください。誤ったセッティングをしているだけです。
マイクアームやスタンドを使うしかない
単一指向性のマイクと言えど、基本的には音楽機材と同じような使い方が理想です。
アーティストやミュージシャンのレコーディング風景を見てみると分かりますが、皆さんド至近距離でマイクを使っています。
ラジオDJやナレーターの方たちもそうですよね。要はああいう使い方を想定して作られたマイク達です。
マイクアームを使えば口元とのイイ感じの距離を簡単に作れます。スタンドでも同様です。マイクに付属するような『kawaii』スタンドでは十分な距離を作れません。
おすすめの単一指向性マイク
ここからは正しい使い方をすること前提ですが、おすすめのマイクを紹介していきます。
Razer Seiren Mini
小さくて高音質なRazer Seiren Mini
Razer Seiren Mini | |
指向性 | 超単一指向性 |
感度 (ゲイン) | PC側で調整可能 |
ミュートスイッチ | 無し |
ダイレクトモニター | できない |
PS4 | 利用可能 |
価格 | Amazon価格 : |
使い勝手 | ふつう |
イチオシポイント | 低価格で高音質 |
超単一指向性という単一指向性の中でもさらに狭い指向性をしたUSBコンデンサーマイクです。
価格のわりに、ボフボフ音対策のためのポップガードと振動対策のショックマウントを内蔵していて装備も充実しています。
付属スタンドはあまりにも背が低すぎるので、口元には遠く及びません。あとはマイクアームを揃えてしまえば完璧なハイコスパマイクです。
一緒に揃えたいおすすめのマイクアーム
RODE XCM-50
ゲーマー向けのRODE XCM-50
RODE XCM-50 | |
指向性 | 単一指向性 音を拾える範囲は狭い |
感度 (ゲイン) | PC側で調整可能 |
ミュートスイッチ | 無し 専用ソフト「UNIFY」で可能 |
ダイレクトモニター | できる |
PS4 | 利用可能 |
価格 | Amazon価格 : |
使い勝手 | とても良い |
イチオシポイント | コンデンサーマイクがいいならコレ |
コンパクトですが高音質な単一指向性のコンデンサーマイクです。ショックマウントとポップガードも内蔵されていますし、高品質なスタンドも付属してきます。
ゲーマー向けの専用ソフトが強力でミキサー機能が使えます。配信でサウンドを細かくコントロールしたりこだわった配信が可能です。マイク本体で音声の処理が行えるDSPが内蔵されているため、配信中でもPCに負担が掛かりません。マイクエフェクトも遅延無しで使えます。
マイクアームに取り付けたときにも自由な位置調整ができるマウントがとても便利です。超おすすめのマイクです。
RODEで揃えられるマイクアーム
FIFINE AmpliGame AM8
ハイコスパマイクなFIFINE AmpliGame AM8
FIFINE AmpliGame AM8 | |
指向性 | 単一指向性 音を拾える範囲はかなり狭い |
感度 (ゲイン) | マイク本体とPC側で調整可能 |
ミュートスイッチ | アリ |
ダイレクトモニター | できる |
PS4 | 利用可能 |
価格 | Amazon価格 : |
使い勝手 | かなり良い |
イチオシポイント | 見た目が良く特に視界を塞ぎにくい |
スタイリッシュな見た目で価格以上の良さがあるUSBダイナミックマイクです。高級感のあるショックマウントの採用で配信映えするマイクです。ポップガードの質感もかなり良いです。
ボディが長いので、付属するスタンドでも口元近くへ持ってきやすいです。
とにかく使い勝手が良いです。手頃な価格で環境音の対策だけでなく、見た目も追求したい人には特におすすめです。
FIFINEで揃えられるマイクアーム
SHURE MV7
ド定番なSHURE MV7
SHURE MV7 | |
指向性 | 単一指向性 音を拾える範囲はかなり狭い |
感度 (ゲイン) | PC側で調整可能 |
ミュートスイッチ | アリ |
ダイレクトモニター | できる |
PS4 | 利用可能 |
価格 | Amazon価格 : |
使い勝手 | かなり良い |
イチオシポイント | 見た目が良く特に視界を塞ぎにくい |
専用ソフトでゲイン、コンプ、EQの設定が可能になったハイエンドUSBマイクです。簡単に音の粒が揃えられます。
秀逸なショックマウントの採用、オリジナルのポップガードで見た目がSM7Bそっくりなマイクです。
SM7Bほどではありませんがボディは長いので、口元近くへ持ってきても邪魔になりません。今では使う人がたくさんいます。
ヘッドホンアウトの音質が良いのもポイントです。
マイクアームと合わせれば、初心者でも簡単に環境音対策が済ませられます。
Blue Compassとの組み合わせが定番
まとめ
単一指向性でもマイクのセッティングが誤っていれば、環境音を爆音で拾います。
口元に近づけて集音していないのは『環境音を拾いたい時に行うセッティング』をしているということなので、環境音を拾ってしまって当然です。
声だけを拾うセッティングにすることが重要です。
なんで付属のスタンドじゃダメなん?じゃあなんでスタンド付属するん?と思いますよね。
それは管理人も思います。ただ、スタンドが一緒に入ってなきゃ大抵の人は買いません。
そういうわけなので、マイクアームを使ってイイ感じにマイクセッティングを仕上げて高音質なマイク音声を目指しましょう。
もし邪魔になるのが気になるならコンデンサーマイクを装備したヘッドセットやピンマイクを使うのがおすすめですよ。
低価格で標準品質のマイクアーム
配信向けマイクと機材の記事もおすすめ